「ぽらちゃんクッキー好き?
わたくしと一緒だね。ばんびなの焼いたクッキー、おいしいもんね。
今日はね、ばんびなと星型クッキー焼いたんだよ!ぽらちゃん、おほしさま好きなんだよね?」
「あ、ありがとう…クッキー、美味しいですね…」
「うんっ」

さくさくと音をたてて口に入ったかと思えば、ふわりとすぐに消えていく星型のクッキー。
今日は天気がいいから天文台の綺麗な景色を見ながらのお茶。
お相手は、よく一緒にお茶をしてくれているbambinoさん。
晴れていたら天文台で一緒にどうですかって聞いたら、凄く嬉しそうに返事をしてくれました。

「いつも、お菓子はbambinaさんが…?」
「お菓子だけじゃなくて、お料理もばんびななんだよ!
ばんびなね、すごーくお料理もじょうずなの。お菓子と一緒くらいじょうず。
でもね、やっぱりお菓子の方がじょうずかな…」
「bambinoさんは、その…お作りに、なられないんですか…?」

うーん…と少し考えてから彼女 は言いました。

「だって、作れないもん」

何処か開き直ったbambinoさんは、またもぐもぐ とクッキーを食べはじめました。
その様子は何処か拗ねているようにも見えて、私はもしかしたら聞 いてはいけなかったことを言ってしまったのかもしれない、と思いました。

「ごめんなさい」
「どうしたの? 急に
わたくしは大丈夫だよ!一緒にたべよ?」
「…はい」
「誰かと食べると美 味しいね」
「そう、ですね」
「ぽらちゃんは誰と食べるの?」

突然の 問いに、私は驚きました。

「え?」
「恋人?家族?近くの友達?」
「れ、 Reginaっていう、その、私の、双子の…っ」
「!そっか!ぽらちゃんも双 子さん、わたくしと一緒!」

お揃いだね、と言ってふわりと笑 いました。
お揃い…なんだか、私も凄く嬉しくなりました。

そして、ふと時計をみたbambinoが小さく叫びました。
どうしたので しょうか?

「あ、もうこんな時間だ…ばんびなに怒られちゃ う」
「ご、ごめんなさい…長居、させてしまいました」
「うう ん、大丈夫。
ぽらちゃんの処ならばんびな許してくれ るもん」

そう言って、帰る仕度をしていたbambinoさんが、何 かを思い出したようにこちらを振り向いて、言いま した。

「あ!あのね、お願いあるの、だめ?」
「いえ 、大丈夫です。何、ですか?」

あのね……と彼女は少し楽しげに笑いました。
何なん でしょうか…?

「今度、わたくしと一緒に、星型クッキー作ってね!」
「…は、はいっ、 喜んで」

じゃあ、来週の日曜日ね、と言ってbambinoさんは帰っていきました。
嗚呼、と っても来週の日曜日が楽しみです。